【新唐人2011年3月22日付ニュース】中国国家統計局によると、今年2月の消費者物価指数(CPI)は前月よりも4.9%上昇し、予想を上回りました。また、生産者の売値の変化を示し、インフレ圧力の指標となる生産者物価指数(PPI)も、2008年9月以来の伸びとなる7.2%。中央銀行は窮地に陥っています。
3月11日に発表した2月の経済データが示すように、当局かここ数ヶ月間実施したインフレ抑制対策は焼け石に水でした。2月の消費者物価指数は前月よりも4.9%上昇し、上昇幅は1月並です。2ヶ月連続、当局の目標の4%を上回りました。
一方、やはりインフレ圧力の重要な指標となる生産者物価指数(PPI)も前月比で7.2%上昇し、2008年9月以来の伸びでした。この2つの指標はともに、専門家の予測を上回り、“2月には消費者物価指数が下落する”との当局の予測に反しました。しかし北京の経済学者、郭さんは、希望の声ラジオ局の取材に対し、実際のインフレはもっと深刻だと明かします。
北京の経済学者 郭玉閃:「インフレはまだ深刻です。消費者物価指数には重大欠陥があります、多くの重要指数が漏れています。しかも不動産価格などは計算に入っていません。インフレを全面的に反映していません」
インフレ悪化の原因について、当局と専門家の意見は食い違っています。国家統計局のスポークスマンは、2月のインフレは、旧正月の影響で食品価格が11%上がったことが主な原因だとしました。
中国経済問題専門家の草庵居士氏は、インフレの主な原因は当局の過度な通貨発行にあると指摘。過剰な通貨をもたらしたほか、石油価格の上昇もインフレの要因になるといいます。
アメリカのウォールストリートジャーナルはグローバルインサイトのアナリストの話を引用し、目下、中国のインフレはまだピークではなく、その影響はこれから数ヶ月後に現れると指摘。ほかに、石油価格の上昇、大量の銀行貸し出しもインフレ悪化を招くといいます。
バンクオブアメリカ・メリルリンチの経済学者陸さんは、3月の消費者物価指数は5.5%上昇すると当局に警告します。
中国当局は物価安定をマクロ経済の主要目標に掲げ、今年の目標を4%以内に定めました。アメリカの経済展望社のグローバル経済学者のバーナード ・ボーモール氏はボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、中国がインフレ抑制できる要素を3つ挙げました。利上げ、銀行の預金準備率の引き上げと人民元の切り上げ。前者2つは何度も実施されているものの、効果はほぼゼロ。残された唯一の方法は人民元の切り上げだと指摘。
また目下、中国経済が直面している最大の脅威は、人民元切り上げによる輸出減少ではなく、悪化し続けるインフレだと強調。不本意でも人民元の切り上げは避けられないといいます。
新唐人テレビがお送りしました。